いけばなで牡丹は、花王の徳をたたえられ、他の花材とは取り合わせず一種生けに限られ、花展では上席に据えられる別格の存在です。池坊では伝花としてその特別ないけかたが今に伝えられています。
わびを重んじる茶席では今の時期は山芍薬、お正月は白の寒牡丹が用いられています。
それゆえ恐れ多く、遠くから見つめるだけでまだいけばな花材として手にとったことはありません。
それが今年になり、いろいろなご縁が重なり、今は芍薬、牡丹に心を奪われています。上品で麗しく豊かな風情を、今は眺めているだけで満たされています。